映画「告白」

 女優の松たか子(33)が主演した映画「告白」(監督中島哲也、公開中)が来年の第83回米アカデミー賞外国語映画賞候補の日本代表作品に決まった。

 8日、配給の東宝が発表。申請のあった25作品の中から日本映画製作者連盟の選考委員が選出。同賞には約60カ国から出品があり、本選候補作5本は来年1月に公表される。09年開催の第81回では「おくりびと」が日本作品として初受賞した。







※Kネット会報掲載原稿

松たか子主演で、6月5日ロードショー公開された映画の原作です。
「私の娘は、このクラスの生徒に殺されたのです」
幼い娘を殺された女教師の復讐ストーリーが軸になっていますが、いじめや不登校という現代中学生にとって身近な情景が描かれていています。少年犯罪の背景としての家庭の問題、とくにモノローグ形式で語られる母子関係にリアリティと説得力があって引き込まれました。

家庭に問題があれば必ず犯罪に走るというわけでは当然ながらありません。母に会えない少年Aと過干渉気味の母に甘える少年Bの友人関係は互いの救済となり一緒に中学生活を楽しむ可能性もあったのだと思います。ところがそうはならなかった悲劇の発端は、優秀な少年Aの歪んだ思考とBを見下した心ない言葉でした。そして少年Bを犯罪者にした同じ言葉が、彼の最愛の母親の口から発せられた時にごく普通に見えた母子関係が破滅に至ってしまうのです。子どもが親を実に自然に愛することに比べて、親が子どもをありのままに愛することはなんと難しいのかと思わされます。

別れた母との再会を一途に願う少年Aが、「○○をしたら母が会いに来てくれる」と思考を短絡させ、望みを叶えるためには他者の命、自分の命にさえ無頓着な様子に戦慄します。実の親に会えない「異常な」状況に未熟な子どもをひとりで耐えさせるのはあまりにも酷だということではないでしょうか。この本を読んだ片親に子どもを会わせない親や法曹関係者がギクリとしてくれれば良いと思うのですが。

実は、「告白」は中学生によく読まれているのです。救いのあまりない小説に彼らがリアリティを感じ、作者に心情を「わかってもらった」気がするとしたら・・ フィクションだからと安心していられるでしょうか。「ウチの子は違うから」「悪い友だちとつき合わなければいいのでしょ」ですまされないのは、犯罪被害者には誰もがなる可能性があるからです。難しい世の中に生まれてきてくれた子ども達に、神のご加護を祈るばかりです。
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  by mousavian | 2010-09-12 11:45 | 離婚と子ども

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