Q&A

Q1.会わせたくない親がいる。A.子どもにとってはどちらも親です。一人の子どもが分けられない以上、親どうしが別れれば、どちらかの親が見なければなりません。子どもを引き受けた以上、離れて暮らす親と子どもを会わせるのが、子どもを見ている親の責任だと思います。

Q2.会いたいという親がDV加害者のときは?
A.そういう場合は、当事者どうしでやりとりするのはかえって危険です。逆に、会わせないことによる別居親の怒りや憎悪、失望がどこに向かうのか、実際に事件も起きています【DV法改正時の徳島の事例、2008年1月の宇都宮の事例、5月の杉並の事例】。それを考えると、きちんと会わせるルールや基準が必要だし、会わせる場合には、場所や仲介など支援体制が必要だと思います。
 それにDV加害者が、子どもに暴力を振るっていたとは限りませんし、DV被害者でも会わせたいと思う親はいます。そういった親に対するサポートもないのです。これでは子どもの奪い合いを加熱だけで問題の解決にはなりません。

Q3.「親子の引き離し」が人権侵害で虐待というのは?
A.子どもと引き離されたことによる別居親の精神的な打撃は相当なものです。心的外傷後ストレス障害(PTSD)や、失業、自殺等さまざまな問題を別居親に引き起こし、子どもとの関係が深かった親ほど苦しみは続きます。
 また、子どもにとっては、離婚はとてもショックなできごとです。激しい怒りや抑うつ、集中力の欠如に起因する学習遅滞、暴力や非行等の問題行動が生じるとされています【データ】。片方の親から引き離されるということは、離婚という悲しいできごとを乗り越えるのに、けしてプラスになりません【データ】。親どうしは別れたけれど、ちゃんと2人ともあなたたちのことを見ているからねと、親は子どもに証明してみせる必要があります。親に会えない期間が長ければ長いほど、親子それぞれに与える影響は大きいと思います。
 海外では子どもの愛着の対象である親を引き離すのは、それだけで虐待とされています【引用】。

Q4.法律でわざわざ決めることでしょうか?
A.現実には、現在の法律によって親子が離れ離れにされているという実態があります【データ】。調停して約束を交わしても会えない親子がたくさんいます。法律で決めないでどうやって会えというんでしょうか。
 たしかに現行法でも間接強制(損害賠償請求)によって同居親に面会の履行を促すことはできます。しかしこれは結局当事者どうしでの解決を促すというやりかたでしかありません。親子の面会交流は自然権であり、権利を保障するのは国の役目です。そうである以上、会う会わせないの決定権を同居親だけが持つことはおかしく、離婚しても離婚家庭の親子と同じように親子が交流するのが基本のはずです。そのためにもルールと法律は必要です。

Q5.こういう法律を作ったら、離婚してもいいということにならないでしょうか?
A.25万人も毎年離婚していて、不登校の人数よりも会えなくなる親子は多いのに、こういう状態を放置しているほうが問題だと思います。
 また現在の日本の民法では、子どもがいる家庭の場合、親権を定め、それを役所に出すだけで離婚することができます。共同親権の国では、子どもがいる家庭の場合、面会交流と養育費のことについて契約を交わし、それを裁判所に提出して法的拘束力を持たせなければ離婚できません。つまり、現在の日本の民法は、世界一離婚しやすい規定になっています。むしろ離婚後の親子関係のルールを定めることが、離婚後の親に、親としての自覚を持たせることになると思います。





Q6.調停でもなんでも個別に会おうという努力をしたらどうですか?
A.調停で会う努力をした結果、会えるようになった親子の割合はとても限られています【データ】。また調停で交わす合意も月1やそれ以下など、とても限定的です【データ】。裁判所の調停では救済されず、それであきらめる親もたくさんいます【データ、アンケート】。そもそも自分の子どもと会うために、法整備を促すことのほうがおかしいとおもいませんか。

Q7.外国ではどうなっているんでしょうか?
A.子どもを連れ去れば自分のものになるということではなく、子どもの最善の利益を考えて、なるべく奪い合いにならないような形で、離婚後、子どもをどう育てるかを決めていくようにするべきです。
その後も、信頼関係の壊れた相手との面会のやりとりはとても難しいのです。法律であれ、何らかの形で基準やルールがないと、安心して親子は会えないと思います。
 日弁連のシンポジウムの資料では、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスの面会交流についてのルールが紹介されています。これは、離婚しても親は親なんだから、離れて住んでいるからといって、ちゃんと責任を持って子どもを見なければならないという考えに基づいています。
 こういった国では、離婚しても共同親権を持つことが可能になっています。面会の拒否には罰則もあります。
 日本でも、養育費についての算定表を裁判所が作っていて、ルールに基づいて、養育費の取立てが可能となっています。
 これと同じように、アメリカなどでは、面会のガイドラインが州によってちがいますが、やはり決められていて、子どもの年齢ごとにきめ細かく記載されています。当事者どうしで合意が得られれば、これより会う頻度は頻繁だったり少なかったりしていいと思いますが、離婚する人はそもそも合意は難しいので、ガイドラインが必要だと思います。
 それに、養育費は払っているのに、子どもと会えない親は現在でもたくさんいるので、それはやはり法の不備だと思います。

Q8.浮気やアル中など、会わせる資格がない親もいるんでは?
A.会わせる資格というのは、子どもを見ている親が決めることではありません。そんな親でも親は親だし、子どもはそういう親を自分の親として納得していかなければなりません。反面教師というのもありますから。
 会いたい親には会わせるというのを基本にしないと、親どうしの感情の対立の犠牲者になるのは子どもです。また、子どもの側から見れば、自分の親に会う権利はそもそも手厚く保障されるべきです。

Q9.会わせないほうが子どもは落ちつくんでは。
A.いつもいっしょに暮らしていない親と会うんですから、子どもが不安定になるのは当たり前だと思います。子どもがその親といっしょにいたいと思うんならなおさらでしょう。ちょっときつい言い方ですけど、そういう覚悟なしに子どもを引き取るべきではないと思います。
 一方、親子の引き離しによる悪影響は、「片親引き離し症候群」として、裁判所のホームページでも紹介されています【資料】。
 だめな親でも会わせるのがやはり子どもの利益になるんだと思います。定期的に子どもを会わせて慣れさせるのが、離婚後の親子のあり方として普通になればいいんだと思います。

Q10.子どもが会いたくなったら会えばいいのではないでしょうか?
A.子どもは一方の親が突然いなくなれば、捨てられたとか、裏切られたと思うということが実証研究で明らかになっています【データ】。特段の事情がない限り、別居や離婚しても、子どもは別居親と会えない状態に置くべきではないと思います。そして、それにはルールや基準がやはり必要です。

Q11.公的支援とは例えばどういうものでしょうか。
A.現在、日本でも面会の付き添いや仲介をするNPOがありますが、数も少なく、人的にも資金的にもまだまだ不充分です。子どもが小さいと、臨床心理士などの専門家が面会に付き添う必要もあると思いますが、こういったNPOなどへの補助がまず必要だと思います。
それから、会いにくる親が子どもには暴力を振るわなくても、DVなどがあった場合には、会わせる親のほうも最初は不安でしょうから、そういうときは、専門家のいる児童養護施設などを面会交流センターとして活用することもできると思います。
後は、離婚時に、子どもとの面会交流について親に教育する裁判所のプログラムの提供や、親子の面会についての自治体も含めた行政による啓発活動などができると思います。担当窓口を決めたり、一人親の相談員の業務の一つに組み込むこともできると思います。
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  by mousavian | 2008-12-27 00:40 | 離婚と子ども

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