カテゴリ:離婚と子ども( 25 )

 

Q&A

Q1.会わせたくない親がいる。A.子どもにとってはどちらも親です。一人の子どもが分けられない以上、親どうしが別れれば、どちらかの親が見なければなりません。子どもを引き受けた以上、離れて暮らす親と子どもを会わせるのが、子どもを見ている親の責任だと思います。

Q2.会いたいという親がDV加害者のときは?
A.そういう場合は、当事者どうしでやりとりするのはかえって危険です。逆に、会わせないことによる別居親の怒りや憎悪、失望がどこに向かうのか、実際に事件も起きています【DV法改正時の徳島の事例、2008年1月の宇都宮の事例、5月の杉並の事例】。それを考えると、きちんと会わせるルールや基準が必要だし、会わせる場合には、場所や仲介など支援体制が必要だと思います。
 それにDV加害者が、子どもに暴力を振るっていたとは限りませんし、DV被害者でも会わせたいと思う親はいます。そういった親に対するサポートもないのです。これでは子どもの奪い合いを加熱だけで問題の解決にはなりません。

Q3.「親子の引き離し」が人権侵害で虐待というのは?
A.子どもと引き離されたことによる別居親の精神的な打撃は相当なものです。心的外傷後ストレス障害(PTSD)や、失業、自殺等さまざまな問題を別居親に引き起こし、子どもとの関係が深かった親ほど苦しみは続きます。
 また、子どもにとっては、離婚はとてもショックなできごとです。激しい怒りや抑うつ、集中力の欠如に起因する学習遅滞、暴力や非行等の問題行動が生じるとされています【データ】。片方の親から引き離されるということは、離婚という悲しいできごとを乗り越えるのに、けしてプラスになりません【データ】。親どうしは別れたけれど、ちゃんと2人ともあなたたちのことを見ているからねと、親は子どもに証明してみせる必要があります。親に会えない期間が長ければ長いほど、親子それぞれに与える影響は大きいと思います。
 海外では子どもの愛着の対象である親を引き離すのは、それだけで虐待とされています【引用】。

Q4.法律でわざわざ決めることでしょうか?
A.現実には、現在の法律によって親子が離れ離れにされているという実態があります【データ】。調停して約束を交わしても会えない親子がたくさんいます。法律で決めないでどうやって会えというんでしょうか。
 たしかに現行法でも間接強制(損害賠償請求)によって同居親に面会の履行を促すことはできます。しかしこれは結局当事者どうしでの解決を促すというやりかたでしかありません。親子の面会交流は自然権であり、権利を保障するのは国の役目です。そうである以上、会う会わせないの決定権を同居親だけが持つことはおかしく、離婚しても離婚家庭の親子と同じように親子が交流するのが基本のはずです。そのためにもルールと法律は必要です。

Q5.こういう法律を作ったら、離婚してもいいということにならないでしょうか?
A.25万人も毎年離婚していて、不登校の人数よりも会えなくなる親子は多いのに、こういう状態を放置しているほうが問題だと思います。
 また現在の日本の民法では、子どもがいる家庭の場合、親権を定め、それを役所に出すだけで離婚することができます。共同親権の国では、子どもがいる家庭の場合、面会交流と養育費のことについて契約を交わし、それを裁判所に提出して法的拘束力を持たせなければ離婚できません。つまり、現在の日本の民法は、世界一離婚しやすい規定になっています。むしろ離婚後の親子関係のルールを定めることが、離婚後の親に、親としての自覚を持たせることになると思います。

More
[PR]

  by mousavian | 2008-12-27 00:40 | 離婚と子ども

韓国の離婚相談制度

12月10日「離婚と子どもの最善の利益」-韓国の離婚相談制度ー
セミナー概要報告

※レジュメがないうえに、話のペースが速く、かつ韓国の方の日本語のため、一部に不明確な部分があることをご了承ください。

○講師 宋 賢鐘氏

 ソウル家庭法院(日本の家庭裁判所と同様の権能。)調査官(日本での主席調査官レベル。)
 家事少年制度改革委員会専門委員
 2008年9月より日本の家庭裁判所で調査官研修。

○韓国の離婚制度

 ・韓国の離婚率は米、英についで世界第3位。非常に高い。
 ・1971年以前は、男性中心の離婚制度だった。
 ・最近、戸籍制度を廃止した。
 ・協議離婚と裁判所離婚(調停離婚・訴訟離婚)があるが、日本と異なり、協議離婚にも裁判所が関与。
 ・2008年6月、現在の離婚制度を施行。
  その背景として、従前の男女差別の廃止(戸主制度廃止)、離婚についての社会認識の変化と離婚急増、離婚による子どもへの影響についての考慮の必要、離婚後母子家庭の貧困及び子の養育の困難など。
 ・協議離婚手順と離婚相談制度(2008年6月22日~)
 離婚申立→離婚ガイダンス→熟慮期間(未成年の子が有る場合 3ヶ月、無い場合 1ヶ月)→専門家相談→離婚協議書作成・提出→裁判所で離婚意志の確認
 ・専門家による離婚相談
  離婚について相談・子どもの福祉や教育についての相談・調停(調整)機能


○今回のセミナーは、現在の韓国の離婚制度の解説が主であり、我々の知りたい面接交渉や親権についてはあまり言及されなかったのは残念だった。最低限の事項について講師に直接質問した。

 ①面接交渉の現状はどうか。
   定期的に面接交渉有り     9.8%、
   連絡や交流等が全くない    47.8%    (2006年)

 ②面接交渉実施のための強制力はあるか。
  ・離婚協議書に面接交渉の実施の記載が必須。
  ・面接を拒否する看護親に裁判所が命令を出す。拒否看護親が勾留されたケースがある。(しかし、講師は日本でも面接拒否に対して「強制的命令」を出せると勘違いしているので、この部分は事実確認必要。)

 ③そうすると、もっと(2006年の数字より)面接交渉の状況が改善するのではないか。
  ・必ずしもそうではない。社会的雰囲気がそうなっていない。(この部分は事実確認必要。)

 ④韓国では離婚後の親権は、共同親権か。
  ・法的には共同親権とも解釈できるが、米国のような共同親権ではない。最高裁の判例もない。(2度質問したが、同じ回答であった。各種のホームページ・ブログを調べたが韓国が単独親権としているもの、共同親権としているものの両方があった。ごく最近の共同親権化か?この部分は事実確認必要。)
  ・韓国では、離婚後、9割は、子は母と生活。

 ④日本では親権争いが激烈だが、韓国ではどうか。
  ・韓国も非常に激しい。(ということは韓国は単独親権か?あるいは、共同親権化がごく最近で、講師はそのことを知らないのか?)

 ⑤非看護親との面接交渉と「子どもの最善の利益」についてどう考えているか。
  ・韓国では、非看護親との面接交渉と「子どもの最善の利益」との関係を、欧米のようには考えていない。
  ・しかし、子どもの福祉のために、協議離婚にも国の関与が必要と考えている。


※日本の離婚制度を類似の点が多いが、熟慮期間制度及び今回のテーマである相談制度は特徴的。
 韓国は、高い離婚率を背景にしてか、日本に比べて離婚制度改革に、より熱心に取り組んでいる印象を持った。
[PR]

  by mousavian | 2008-12-12 17:24 | 離婚と子ども

離婚後の家族のあり方を考えるシンポジウム開催

親子の面会交流を実現する全国ネットワークでは、11月9日、文京区で離婚後の家族のあり方を考えるシンポジウムを開催しました(50名参加)。
f0163079_051596.jpg


パネルディスカッションでは、子どものころ親の離婚を経験した3名が発言。生後半年で親が離婚し、父方の祖父母に育てられた中田和夫さんは、祖父母からは母は死んでいたと伝えられていました。高校生のとき、母が生きていることがわかり、「騙されていたと思った。私のためにはならなかった」と当時の心境を語りました。

中学一年生のときに親の別居を経験したジャラリ恵子さんは、「父に会いたいと思ったことは一度もない。両親には反感しかなかったが、それでもあるきっかけでお父さん、お母さんがとっても好きだったということを思い出した。それは自分の人間としての原点」と述べました。

一方、アメリカで親の離婚を経験し、平日は母方、週末は父方で過ごすという共同監護を経験したディビッド・ハーンさんは、「アメリカでは親と子どもの関係が一番。理由があって面会に制約をかけられる場合もあるが、それもせいぜい一ヶ月。日本ではなぜ会えない親子がこうもいるのか」と疑問を提示しました。

一方、京都で離婚後の親子交流の支援事業を行っている、日本家族再生センターの味沢道明さんは、子どもが会いたくないと言っているという面会拒否の理由について、「親は自分の価値観で子どもをコントロールしようとする。会わせる親には、(会わせるほうが母親の場合)お父さんに会わせると、お父さんになついてまたとられるんじゃないかという不安がある。子どもはお父さんと会って喜んでもその状況を母親が受け入れない」と、会わせる側のサポートの必要性を述べました。 

山梨学院大学法学部教授で、国連子どもの権利委員会にレポートを届ける活動をしている福田雅章さんは、「これまで人間関係は価値として承認されてこなかった。本能的なものを大事にしなければならず、大人も子どもも関係を作る権利がある。面接交渉は幸福追求権の一つであり、共同親権はそのために必要なもの。親は子どもをケアする責務がある」と離婚後の親子関係の意義を述べました。

 会場には国会議員の秘書も出席し、現在、離婚後の親子交流の法制化を求める意見書は現在五自治体から国会ほか、関係機関に提出されています。
f0163079_14314569.jpg

[PR]

  by mousavian | 2008-11-13 12:29 | 離婚と子ども

国際離婚で子どもに会えなくなった人たち

7/14外国特派員協会において、離婚によって子どもに会えなくなってしまった外国人親たちの記者会見が行われた。フランスやアメリカ出身の父親たちの事例が当事者によって報告された。離婚や妻との死別によって我が子と会えなくなったばかりか、養い親に子どもを「拉致」され所在地さえ知らされない父親たちにとって、日本は北朝鮮と同様の無慈悲な非人権国家に映ることだろう。フランスやアメリカなどの先進国では共同親権が普通なので、日本の単独親権制度に違和感を持ちつつも、親権を持たないことが子どもとの縁切りになってしまい裁判に訴えても救済されないなどとは、彼らにとってまったく予想もできない事態だった。外国人だからそうなったと考える外国人親たちもも多いのだが、実際には日本人同士の離婚であっても事情は同じで、親権を持たないほうの親と子どもの関係が保てるかどうかは親権親の意向にかかっているのが現実である。

会見ではカナダ在住の日本人同士の離婚のケースがまず報告された。カナダの裁判での共同親権判決を日本に届けたことにより、日本では例外的な共同親権を獲得したはずが父親が子どもを日本に連れ帰ったために、母親は子どもに会う機会さえ奪われてしまっている。日本国籍を持ち日本語を話す、しかも母親でさえもそのような事態になりうるのがこの国の離婚後の悲惨な実態なのだ。

日本に長く住む外国人親たちは、普段接する日本人たちが無慈悲な人間でないことをよく知っている。そのような人たちの国であるのになぜ?という疑問が湧くのは当然であり、悪いのは家庭裁判所と官僚主義であろうという至極当然の見解が外国人研究者によってなされていた。

最後に、会見では触れられていなかったことなのだが、日本でこういった意志表明をすることさえできない外国人親たちのことを指摘しておきたい。離婚によって日本のビザを失った途上国出身の外国人親の多くは、二度と我が子に会うことはできないだろう。またそのような事態を怖れて、早い時期に学校教育などを理由に子どもだけを自国に連れ去る外国人親も増えている。

f0163079_2275269.jpg

[PR]

  by mousavian | 2008-07-15 20:42 | 離婚と子ども

親子の面会交流を実現する全国ネットワーク発足集会

Excite エキサイト : プレスリリースニュース

私たちは、欧米諸国では人権侵害とされる、離婚等により引離された親子が普通に会えるよう面会交流の法制化等を求めています。また会えない親子の面会が実現するよう裁判所の運用の改善や親子の面会交流への公的支援を求め活動しています。このたび、関連団体が協調して働きかけを行うべくネットワーク発足集会を行います。

f0163079_17573781.jpg


■なぜ会えないの?離婚後の親子■ 7 月1 3 日(日)開催

日本では、離婚後の養育について決めなくても親権がどちらの親が取る
かが決まれば離婚が成立します。その結果、親子の交流が離婚を契機
に絶たれることが多々あります。裁判所で離婚後の面会交流についての
取り決めが成立しても、隔月や月一など他の欧米諸国に比べて、あまり
にも限定的にしか面会は認められてきませんでした。

子どもの権利条約は、9条で「締約国は、児童の最善の利益に反する場
合を除くほか、父母の一方又は双方から分離されている児童が定期的に
父母のいずれとも人的な関係及び直接の接触を維持する権利を尊重す
る」と定めています。またアメリカ諸州では、両親が別居、離婚しても、
子どもは両親と頻繁かつ継続的な接触を持つことが「子どもの最善の利
益」であるという考えのもとに、法整備や親子の面会のガイドラインが
整えられてきました。離婚しても双方の親が子育てに関わるのが一般的
なあり方です。

日本でも、離婚調停や裁判の場で、「子どもの福祉」という言葉が使わ
れることがあります。困難な親子の面会のために場所や人員を確保して
「子どもの最善の利益」をはかるアメリカと、何でも面会拒否や制約の
理由になる日本とでは、子どもの利益についての考え方は大きく違うよ
うです。そもそも、「持ち物」のように子どもの所属をどちらかに決め
なければならない離婚後の単独親権制度と、「子どもの最善の利益」は
なじむのでしょうか。

現在の法制度の問題点を指摘しながら、離婚後も豊かな親子の交流を実
現するために今何が必要かを考えてみたいと思います。

More
[PR]

  by mousavian | 2008-07-13 17:49 | 離婚と子ども

SEM SKIN - DESIGN by SEM EXE